いわゆる「保険金不払い問題」の原因は、生命保険、損害保険ともに商品が複雑になり過ぎたことにもあります。
入院時に保険金が支払われていても、退院後の通院に対しては「支払漏れ」があったといった報告は、メインの契約に付帯された各種の「特約」には、チェック機能が働かなかったことの証左です。
そんなわけで、お客様からの信頼回復を目指す保険業界では、今、商品・システム等、多方面での「改革」が始まっています。キーワードは「わかりやすさ」です。中でも私が歓迎しているのは「専門用語」の見直しです。
たとえば「自動車保険」に「異動」という言葉があります。初めて、この言葉を耳にした時は、保険の対象になる物の所在地が変わることを指すのか?と思いました。つまり「移動」のイメージがあったのです。
しかし、現実には「異動」は、あらゆる契約に関する要項の「変更」を意味します。「車両入れ替え」も「住所変更」も「運転者の変更」も全て「異動」なのです。損害保険の仕事を始めた頃は、違和感が大きかったものです。
いつのまにか慣れてしまいましたが、それが一番良くないことなのでしょう。私たちが少しでも「わかり辛い」と感じることは、お客様にとっては「さっぱり理解できる気がしない」ことに違いありません。
具体的に「異動」を「変更」と呼び、「異動」を行ったことを通知する文書を「承認書」から「変更手続き完了のお知らせ」にしようといった動きは、小さいようで大きな一歩だという気がします。


