日本医師会医師賠償責任保険は、日本医師会が保険契約者となる独自の保険制度です。日本医師会のA会員全員(A①、A②)が被保険者であり、補償額は被保険者1名につき、1事故あたり1億円、1年間の限度額は1億円です。保険料は会費に含まれていて、一般の医師賠償責任保険とは、約款・条件が異なることや100万円の免責があるのが特徴です。
日本医師会の会員はあくまでも個人です。従って日本医師会医師賠償責任保険(基本契約)の被保険者も会員医師個人となります。個人が診療所を開設し、一人で診療にあたっている場合には問題がありませんが、他の医師を雇用して診療にあたっている場合や、法人化した場合には、次のような問題に注意が必要です。
勤務医師が行った医療行為は対象とならない
勤務医師が行った医療行為に起因する事故の当該勤務医師の責任部分は担保されません。
法人責任は対象とならない
病院・診療所において医療事故が発生した場合、医療施設の開設者である当該法人が賠償責任(使用者責任・債務不履行責任)を負うことになります。日本医師会医師賠償責任保険の基本契約ではこうした責任を担保することはできませんが、日本医師会の会員医師が、①法人の理事に就任し、②病院・診療所の管理者(いわゆる「院長」)となっている場合、日本医師会の会員医師が当該法人を被保険者とする日医特約に加入することで、法人の責任を担保できるようになります。


